「ゲド戦記」を読んで


影との戦い―ゲド戦記 1

影との戦い―ゲド戦記 1


これは、娘のために買った本です。そのつもりでした。ただ「子どもを本好きにしたいなら親も本を手にとるべし」という教えに従い、ちょっとページをめくっただけだったのです。....が、読みふけってしまいました。いやいや、なかなかに面白いストーリーでありました。
わが家の本棚には、ハリー・ポッターを中心として魔法使いの物語があふれかえっています。内容をよく知らないまま、子どもに読ませたい本の1冊に選ばれていたこの本を手にした私ですが、正直「あら、また魔法(^^;)」なんて軽く評価してしまっていました。ところが、どっこい。この「ゲド戦記」、ハリポタとも違う、レイチェルとも違う、私たち人間のダークサイドをぐいぐい見せつける作品で、最後の最後まで本当に楽しめました。
何がいいって、エンディングです。謎の影とゲドとの関係を示すラストです。児童文学にしては、実に重たいテーマを扱っています。「ほほう....そういうことか」と考えさせられます。自分の内面を、ついつい見つめてしまいます。これは人生がわかたつもりになっている大人の読み物としても、秀逸の1冊なのではないでしょうか。


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