「魔王」を読んで


魔王 (講談社文庫)

魔王 (講談社文庫)



英語の学びなおしをはじめてから、いえ、もしかしたら十数年以上になるかもしれませんが、手にとるのは洋書ばかり、日本の文学にとんと馴染みがないことに気づきました。最近のベストセラーなど、作者どころかタイトルすら言えない自分にショックを受けて、先日この本を手にとりました。
友人の間でとても好評だった井坂幸太郎の作品です。




おもしろかった。




大学を卒業後、会社員になった安藤は弟と弟の彼女と3人で暮らしている。ある日、自分が念じたとおりに人が言葉をしゃべりだす現象に気づいた彼は、不思議なその能力に戸惑いながらも、ある男に近づき、日本を守ろうと決意するのだが...。



何がおもしろかったかって、作者の視点です。普通では目にも留まらないような些細な事象を、とても細かく、しかも独創的にとらえていて、読んでいてドキドキしました。そうか、こんな表現の仕方もあるのか、と感心しきり。
魅力的なキャラクターだけでなく、語り口の突然の変化にも圧倒されましたが、最後まで明らかにされない謎が結構あって、「どういう意味なのだろう」と考えさせられます。読者に想像の余地を与えるようなストーリー展開にも惹きつけられました。中途半端に終わってしまったような感があるラストですが、続きはこちらで読むことができるのだとか。


モダンタイムス (Morning NOVELS)

モダンタイムス (Morning NOVELS)



もちろん、読みたいと思います★


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